結婚式のお車代はどこからが遠方なのか基準を解説

結婚式でゲストを呼ぶ際、遠方からのゲストのお車代については迷う人が多いものです。お車代のケースバイケースであるため、お車代に関する明確な基準は存在しません。

今回の記事では、結婚式のお車代の遠方とはどこからが基準なのか、一般的な考え方を解説します。お車代の基準に正解はありませんが、お車代の遠方の基準を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

お車代とは

画像素材：PIXTA

お車代とは、遠方から結婚式に参加してくれるゲストのために、新郎新婦が支払う金銭のことです。結婚式の参加には少なからず費用がかかるので、飛行機や新幹線に乗って結婚式に参加するゲストにお車代を渡すことで、ゲストの金銭的な負担を軽減できます。

また、お車代は「特別な感謝を示すツール」として支払われることもあります。遠方に住むゲストではないとしても、特別なお礼の気持ちをこめたいゲストには、お車代を渡すケースがあります。

【お車代に対する２つの目的】

たとえば、東京で開かれる結婚式の場合、九州から参加するゲストがいるなら、お車代の対象者になります。九州から東京までの交通費は、飛行機の場合は少なくとも往復で3万円〜4万円以上がかかるので、ゲストの金銭的負担が大きいためです。

また、同じく東京で開かれる結婚式の場合でも、スピーチをお願いするゲストがいるなら、特別なお礼としてのお車代の対象者になります。スピーチや乾杯の音頭を頼まれたゲストは、話す内容の準備や心の準備が必要なので、ゲストの心理的負担が大きいためです。

お車代を支払うことは金銭的な負担となりますが、これにより良好な人間関係を築くことができます。お車代を支払うべきか？と迷う人は、今後も該当するゲストと良好な人間関係を築きたいかどうかを考えたうえで、お車代を支払うかを決定しましょう。

なお、会費制の結婚式を行う新郎新婦の場合は、お車代を支払わなくても失礼にはなりません。最近では家族のみを呼ぶ家族婚を行い、友人達とは結婚パーティを開くこともあるので、結婚式の形式に沿ってお車代に対応してください。

お車代を支払うか判断する際の基準

画像素材：PIXTA

お車代を支払うか判断する際の基準は、交通手段や移動時間など4つのポイントがあります。お車代を支払うかの基準が分かれば、各ゲストへお車代を支払うかどうかを明確に判断しやすくなります。

【お車代を支払うか判断する際の基準】

たとえば、結婚式への交通手段が飛行機か新幹線のゲストの場合、数万円単位での出費となるため、このゲストはお車代の対象者となります。また、自宅から結婚式会場まで乗り換えが多い、交通費が往復で1万円以上のゲストも、負担が多いためお車代の対象者となります。

結婚式には様々な費用がかかりますが、せっかく開く結婚式なので、新郎新婦とゲストの双方が気持ちよく参加できることが理想的です。お車代を支払うかどうかについては、あとで不要なトラブルを招くことのないよう、それぞれの判断基準を元にお車代を検討しましょう。

交通手段が飛行機や新幹線

交通手段が飛行機や新幹線の場合は、一般的にお車代を支払う人が多いと言われています。お車代について迷うなら、まずはゲストが結婚式会場まで飛行機や新幹線で来るのかを確認しておきましょう。

【交通手段によるお車代の支払いの目安】

結婚式招待状の返信には住所が記載されているので、住所から結婚式会場までをインターネット検索で調べられます。ゲストから招待状の返信が来たら、おおよその交通手段を調べ、ゲストの交通手段が飛行機か新幹線なのかを調べます。

お車代を絶対に渡す基準はありませんが、一般的に、飛行機や新幹線で来てくれるゲストに対しては渡す人が少なくありません。どのゲストにお車代を渡せばいいのか迷ったら、まずは飛行機や新幹線でないと来られないゲストを最優先してください。

交通費が往復1万円を超えている

交通費が往復1万円を超えている場合は、お車代の対象者として金銭を渡す人もいます。交通費が往復１万円を超えるのは、２県以上離れた場合が多いため、結婚式会場より２県以上離れたゲストにお車代を渡すと喜ばれるでしょう。

【交通費の金額によるお車代の支払いの目安】

たとえば、千葉県で結婚式をする場合、栃木県から来るゲストはお車代の対象者になります。栃木県から千葉県に行くには、茨城県に行かなくてはならず、移動時に2つの県を移動します。

ゲストが支払う交通費が片道5千円を超える場合は、ゲストは特急や高速道路などで多めの交通費を支払っています。飛行機や新幹線ほど遠い距離ではないけれど、お車代を出すべきか迷うゲストがいたら、往復の交通費で1万円を1つの基準にしてみましょう。

移動時間が1時間半以上である

移動時間が1時間半を超えている場合は、お車代の対象者として考えられます。ゲストの自宅から結婚式会場への経路が複数ある場合は、どの交通手段で結婚式会場へ来てくれるのか分からないため、移動時間を使って判断します。

【移動時間の長さによるお車代の支払いの有無】

たとえば、東京の表参道の結婚式会場の場合、埼玉の熊谷から来るゲストは、電車とバスで片道1時間40分〜50分ほどかかります。片道1時間半を超える場合は、電車一本で行けないこともあるので、特に子連れやシニアのゲストにとっては体力的に負担です。

お車代を決める基準として、ゲストの家から結婚式会場までの移動時間も参考になります。移動時間を元にお車代を検討する際は、ゲストの年齢や体力を考慮した上で、お車代の対象となるかを判断してみましょう。

宿泊を伴う場合

宿泊を伴う場合は、お車代の代わりとしてホテル代を支払う人もいます。お車代の遠方を検討する際は、ゲストが日帰りで来るのかどうか、前泊・後泊があるかどうかも考慮しましょう。

【ゲストの宿泊状況と支払いの有無】

ゲストが宿泊するかどうかは、結婚式が開催される時間帯に影響します。午前10時や10時半から開催する場合、遠方のゲストは前泊を検討する可能性もあるためです。

また、公共交通機関の本数が少ない地域の場合も、ゲストは宿泊せざるを得ないため、前泊または後泊する可能性があります。

ゲストが宿泊する場合、お車代としてホテルの費用を負担する新郎新婦もいます。ホテルで結婚式を挙げる場合、ゲストの宿泊費が含まれているプランもあるので、宿泊費が気になる場合はホテルでの結婚式も検討してみましょう。

なお、ゲストの中には、遠方での結婚式を旅行の延長戦上として捉え、宿泊自体が好きなゲストもいます。旅行が好きなゲストは好きなホテルを選びたい可能性があるので、連絡できる間柄であれば、宿泊について事前に希望を確認してみましょう。

家が遠いのに二次会に参加してくれる

家が遠いのに二次会に参加してくれるゲストがいたら、お車代を検討しても良いでしょう。家が遠いのに二次会に参加するゲストは、電車に早く乗らなくてはならないため、ホテルや居酒屋などに滞在することがあるためです。

結婚式の二次会は、学生時代の友人やバイト仲間など気兼ねない人が集まることも多いので、帰宅する時間が遅くなる傾向があります。宿泊しないとしても、家が遠いゲストの場合は、高額なタクシー代を支払う可能性があります。

新郎新婦を祝うため、家が遠いのに二次会に参加するゲストを確認できたら、お車代でフォローしてあげると親切です。結婚式の二次会は友人代表の幹事が担当することもあるので、お車代を検討する際は、二次会の幹事をしてくれる人とも連絡を取ってみましょう。

お車代の相場の相場

画像素材：PIXTA

お車代は1人につき3万円までか、または交通費の全額が相場です。電車やバスで遠方のゲストには５千円または１万円、飛行機や新幹線のゲストには1万円から３万円、会社の課長や部長などの主賓には交通費の全額を渡すのが一般的です。

【お車代の相場の例】

たとえば、飛行機代が往復で7万円かかり、宿泊するゲストがいるとします。その場合、お車代は航空券の半額を目安とした3万5千円がひとつの目安です。宿泊費と航空券代の両方を支払う必要はなく、航空券代を支払えば十分と言えます。

お車代の相場は最高でひとり３万円、最低でひとり5千円です。現金のみでなく、一括で宿泊費を支払ってあげる、タクシー券やお食事券を渡すなどの方法もあるので、新郎新婦にとって都合のよい方法でお車代の支払い方法を決定してください。

なお、家族で数人がまとめて来てくれる場合は、お車代を家族単位で10万円ほど一括で支払う人もいます。結婚式に親戚や仲の良い友人などのゲストが複数人で来る場合は、お車代をまとめて支払うことも検討しましょう。

お車代を決める際に注意すべきこと

お車代を決める際に、何点か注意すべきことがあります。結婚式はお金がかかるイベントなので、ゲストが不安な気持ちにならないよう、極力配慮してお車代を渡すようにします。

【お車代を決める際に注意すべきこと】

たとえば、新婦の会社の同僚AさんBさんにお車代を渡す場合、AさんとBさんは会話をしてお車代について話をするかもしれません。その際、Aさんには５千円でBさんに１万円を渡すというように金額が異なると、Aさんは新婦に対して嫌な感情をもつ可能性があります。
また、お車代で3千円や4千円のような金額を渡すのはマナー違反とされています。できるだけ５千円刻みで設定し、交通費の半額が8千円であれば一万円とします。

結婚式のゲストには目上の上司や主賓などがいる場合もあるため、出来る限りマナーを守って渡すことが大切です。お車代を渡すゲストが複数いる場合は、金額に差をつけないことや千円札をいれないことなどの気配りを意識してみましょう。

お礼としてお車代を支払う場合もある

お車代には、ゲストの交通手段や移動時間に関係なく、お礼として支払う場合もあります。
飛行機や新幹線を使わないゲストに特別なお礼をしたい場合は、お車代を検討してみましょう。

【ゲストに特別なお礼をするお車代の基準】

お車代はゲスト全員に渡すものではないので、お車代を渡すことで、ゲストに特別な感謝の気持ちを表現できます。結婚式の準備を手伝ってくれた友人や、結婚式当日のスケジュールで何らかの役割を果たしてくれた人には、遠方とは別のお車代を渡す事があります。

遠方のお車代とは別に、お礼としてお車代を渡す際は、３千円〜5千円程度を渡しても失礼には当たりません。司会をしてくれた人には1万円、会場のウエルカムボードやブーケを手作りしてくれた人には追加で実費を支払うなど、ゲストに合わせて金額設定をしてください。

リゾート婚や海外の場合は例外もある

リゾート婚や海外の場合は、お車代を出さない例外もあります。なぜなら、仲の良い親戚や友人からリゾート婚や海外婚をすすめられ、「お車代はいらないから」とお車代の受取りを辞退される場合もあるからです。

結婚式にはさまざまな形があり、新郎新婦と共通で仲の良い友人が結婚式会場を勧めてくる事もあります。たとえば、「お車代はいらないから、ハワイはどう？」といった海外婚を勧める場合や「軽井沢の教会にするなら、うちに泊まれるよ」など特定の場所を勧める人もいます。

親戚や友人のリクエストに応える場合は、遠方だからといって特にお車代を渡す必要はありません。また、公共交通機関が充実している結婚式会場であるのに、ゲストがあえて宿泊する場合もお車代を支払う必要はないので、お車代を決める際の参考にしてください。

まとめ

お車代の遠方を決める基準には４つのポイントがあり、ゲストが「飛行機か新幹線を使う」「交通費が往復1万円以上」「移動時間が片道2時間以上」で「宿泊を伴う」場合はお車代の対象です。また、特別なお礼をしたいゲストにも、お車代を支払うことがあります。

お車代の相場は5千円から３万円となり、飛行機や新幹線の場合は3万円を支払います。お車代の金額に迷う場合は、相場に加え、ゲストと新郎新婦との関係性、子連れやシニアなのか、といった背景も考慮すると決めやすくなります。

お車代を決める際の注意点として、「ゲスト同士で会話する可能性のある場合は差をつけない」「５千円区切りで設定する」「ご祝儀とは別で渡す」があります。ゲストに気持ちよく結婚式に参加してもらえるよう、お車代の金額が話題にならないよう気を配りましょう。