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神社で行う「神前式」には、日本人ならではの婚礼衣装の白無垢や三々九度などの演出があり、憧れを持つ方も少なくありません。
今回の記事では、神前式の流れや髪型・衣装などの服装、神前式のメリット・デメリット、神前式を挙げられる神社まで詳しく解説します。神前式を検討している人は参考にしてみてください。
Contents
神前式(しんぜんしき)と神社で、神の前で行う婚礼を指します。神前婚(しんぜんこん)とも呼びます。
なお、和装婚は、神前式以外にも、着物で着て行う婚礼全般を指すため、同じ意味ではありません。
日本には昔から各地にさまざまな神を祀る神社があり、日本にいる神様の数は八百万(やおよろず)とも言われています。神社にまつられた神に対し、神道の形式で行う結婚式が「神前式」です。
神道は日本独自の宗教的なものです。一般的な宗教のように教えを広めた開祖や経典はなく、原始的な自然信仰(アニミズム)や八百万の神への信仰をもとに、仏教などの他の宗教の影響を受けながら受け継がれたものです。
一般的なウェディングスタイルの教会式は唯一神に対して、人前式は出席者に対して結婚の誓いを立てますが、神前式では、太陽や山などの信仰対象の自然や神社にまつられた八百万の神に対して誓うことになります。
神前式が始まったきっかけは、大正天皇のご婚礼が日比谷大神宮で行われてから、と言われています。
夫婦や家族のつながりを意識させる儀式内容になっているため、家族や親族だけでの結婚式を予定している方に選ばれています。
少し古い調査結果(*)ですが、国内で結婚式をあげるカップルの中で最も多いのは教会式が最も多く、次いで神前式です。およそ7~10組のカップルのうち1組は、神前式で結婚式を行っていることになります。
*一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の2014年に実施した調査
神前式の全体の流れは、次の通りです。
神前式にかかる時間は30分程度です。入退場や着付け、待ち時間等も含めると2~3時間かかります。
神前式で行うこと | 内容 |
参進の儀(さんしんのぎ)→スタート | 新郎新婦・家族の入場。神事を行う斎主・巫女が誘導し、優雅な雅楽をバックにゆったりと神社の建物まで移動する。 |
入場 | 斎主・新郎新婦・仲人・親・親族の順に入場する。 |
修祓(しゅうばつ)→始まりのことば | 全員が起立をし、斎主による言葉(祓詞)を聞き、お清めのお祓いを受ける。 |
祝詞奏上(のりとそうじょう) | 斎主が新郎新婦の代わりにふたりの結婚を神へ報告する。 |
誓杯の儀(せいはいのぎ)→人気の演出 | いわゆる三々九度。新郎新婦で3つの杯を交互に飲み交わす。
※新しい生活様式の衛生上の観点で口をつけない演出が求められることもある |
神楽奉納(かぐらほうのう) | 巫女が神楽に合わせて舞を奉納する。
※神社によってはない場合もある |
誓詞奏上(せいしそうじょう) | 新郎新婦が神前に進み出て、誓詞(=誓いの言葉)を読み上げる。 |
玉串奉奠(たまぐしほうてん)→伝統の演出 | 神事で使われる枝に紙垂(しで)等がついた枝を神に捧げる。 |
指輪の交換 | 結婚指輪の交換をする。 |
親族杯の儀(しんぞくはいのぎ) | 両家の家族・親族が順番にお神酒(みわ)をいただく。 |
斎主あいさつ | 結婚の儀が無事に終了したことを報告します。 |
退場→結びのことば | 全員が退場。 |
神社への費用は「初穂料(はつほりょう)」として神社に納めるのが一般的です。初穂料のことを別名「玉串料」と呼ぶ地域もあります。
初穂料は現金での支払いが基本で、神前式の当日、のし袋に入れて神社側へ手渡します。
初穂料の平均的な費用は30万円です。実際には相場より安く10万円程度で済んだ方もいれば40万円がかかったという方もおり、神社によっても変わります。
神前式で神社に支払う初穂料の費用内訳は次の通りです。
神前式でかかる神社への費用は教会式に比べて抑えられる傾向がありますが、選ぶ衣装と美容着付けなどのオプションにこだわると、全体でかかる費用は高額になります。
なお、神前式ができる神社と、それ以外の神前式ができるホテル・専門式場ではロケーションもできる演出・費用も異なります。
神前式のみで、友人や知人を交えての披露宴をしない場合、神社などに支払う費用は前述した初穂料のみです。シンプルな演出で、地元の小さな神社で行う場合は5~15万円の支払いのみで済むこともあります。
しかし「せっかく親族が集まったのだから食事をして話をしたい」という会食ニーズも多いようで、披露宴なしにしても、神前式に食事会を追加するケースもあります。
その場合、演出の多い披露宴を行うよりは出費も抑えられる神前式+食事会プランが選ばれます。
<神前式+食事会の平均的な費用>
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神前式に参加するゲストは、基本的に家族のみ、または親族のみです。神社によっては友人・知人の参加を認めない例もあり、その場合は神前式は家族のみにし、会場で別途用意し、披露宴を行います。
なお、神前式に披露宴をプラスするなら、新婦は神前式で和装、披露宴では洋装というように、タイプの異なる2種以上の花嫁衣装を楽しむこともできます。
<神前式+披露宴の平均的な費用>
*披露宴会場が神前式の場所から離れている場合、移動費が別途かかります |
神前式では披露宴を入れても、教会式の費用相場の360万円前後より金額を抑えられます。
理由としては、会場の飾り付けや余興など「外せない定番」が確立されている教会式に対し、あまり定番のイメージが浸透していないためにシンプルで清廉になりやすい神前式の方が安くなることが考えられます。
結婚式のスタイルごとの費用相場を知りたい方は関連記事をご覧ください。
神前式を希望する理由に「花嫁が和装での結婚式に憧れている」がよく挙がります。神前式の衣装と髪型は伝統を重んじるため、いくつかの組み合わせに絞られます。
なお、和装の花嫁の髪型については関連記事でもご紹介しています。あわせてご覧ください。
神前式で花嫁の定番の衣装と言えば、白無垢(しろむく)で、神前式で7割近くの花嫁が選ぶと言われる人気です。そして、白無垢には綿帽子(わたぼうし)を組み合わせています。
白無垢の特徴は着物から帯、小物にいたるまですべてが「白」で統一されているということです。
古代から「白」は神聖で邪気を払う色として信じられていること、白には「穢れ(けがれ)がない」「純真無垢」という意味があります。
大きな白いフードのような「綿帽子」(わたぼうし)は、白無垢にのみ合わせることができる衣裳小物です。ウエディングドレスのヴェールと同じような役割として、式が結ぶまで「花嫁の顔を新郎以外の人に見られないようにする」という意味があります。
白無垢に「角隠し」(つのかくし)というヘアスタイルと組み合わせることも一般的です。白無垢+綿帽子に比べて、より活動的なイメージが強く、頭上の髪飾りと帽子は凛とした和装美を演出します。
角隠しは綿帽子よりもフェイスラインがよく見えるヘアスタイルです。
なお、角隠しはその構造上、洋髪には身に着けることができず、日本髪(新日本髪)のときのみ叶うヘアスタイルです。
白無垢だけでなく、色打掛(いろうちかけ)や引き振袖にもあわせられるため、この神前式で角隠しのヘアスタイルを選ぶ女性は少なくありません。
色打掛(いろうちかけ)に文金高島田(ぶんきんたかしまだ)などの日本髪を合わせるスタイルは、豪華絢爛な華やかさと日本人としての凛とした美しさを同時に体現できるウェディングスタイルです。
シンプルよりもゴージャスなスタイルが好みの方におすすめです。
色打掛は、白無垢でも着用する「打掛(うちかけ)」に華やかな色彩を施した着物のことで、つまりは白無垢のカラー版が色打掛です。そのため、色打掛は構造的には白無垢と同じで、白無垢より格が下がるということでもなく、婚礼衣装としての歴史もあります。
文金高島田は江戸時代に登場した髪型で、和装の花嫁の伝統的な髪型として定着しました。由緒正しい日本髪のヘアスタイルなので、日本古来の情緒を感じられます。
ラグジュアリーな色打掛(いろうちかけ)に、髪型はかつらなしの洋髪で、髪飾りをつけるヘアスタイルも、自分の好みが演出できるため、一定の人気があります。
色打掛に合わせるヘアスタイルは、かつらの他に地毛を生かしてアップや編み込みなどにまとめる洋風ヘア(洋髪)が一般的です。束ねた部分に生花を飾るなどのアレンジも可能です。
なお、最近はホテルや専門式場でも神前式を扱うところが出てきていますが、一部の神社では衣装と髪型の組み合わせに指定があるケースもあるため、事前に確認しましょう。
引き振袖(ひきふりそで)とは、振袖の種類の一種で、おはしょりを作らず、丈を地面に広げて引きずる形になり、女性らしい美しい線を表現できる衣裳です。振袖は未婚女性の第一礼装とされており、最も格が高い着物です。
ただし、裾を引きずるスタイルになるため、引き振袖で神前式が行えるかは、神社や会場によってケースバイケースのため、事前に確認しましょう。
花婿の衣装は花嫁に比べると、シンプルです。
たいていは「五つ紋付き袴」を選びます。ヘアスタイルは整髪料でアップバングにセットする程度で、男性は特にかつらをつけません。
なお、花嫁の衣装が「引き振袖」なら、花婿の衣装は色紋付羽織袴(いろもんつきはおりはかま)という、羽織の色が黒ではなくネイビーやグレーなどの色付きの袴を選べます。
また、神前式の規模や雰囲気によっては、花嫁に合わせて明るい色のタキシードを着る花婿もいます。
なお、結婚式の衣装は花嫁と花婿で統一感があることが望まれます。花婿の衣装は花嫁の衣装に合わせる形で選び、バランスが取りましょう。
神前式では参加者の服装も気になるところです。
通常では、女性はフォーマルで少し華やかなワンピース、男性は略礼装のスーツで参加される方が大半です。季節により、女性はノースリーブにボレロで少し肩を出すコーデも一般的ですが、神前式では基本的に肌を出しすぎないということを意識する必要があります。
参列者が華やかさを出すにはアクセサリーなどの小物類でカバーします。
また、レザーやファーなどの殺生をイメージさせるアイテムも避けましょう。
神社の境内でハイヒールは境内の砂利で歩きづらいため、ヒールの低い靴を選ぶのがおすすめです。
参列者が和装である必要はありませんが、場の雰囲気にあわせて和装を選んでもよいでしょう。
神前式には通常の教会式にはない魅力がある一方、いくつかの制約があることも事実です。
神前式のメリット・デメリットをよく理解し、検討を進めましょう。
神前式では参進の儀(さんしんのぎ)や家族同士の杯の交わしなど、新郎新婦だけでなく家族も交えた演出があります。家族と行う演出で、家同士のつながりをより強く感じられます。
また、新年に初詣をする親戚が多い方には、神前式はおすすめできます。ゆかりのある神社があるのなら、神主とも知り合いというパターンもあるでしょう。あなたの成長を見守ってきた地域の神社で大切な人と結婚式を挙げると、地域の皆さんにもお祝いされます。家同士だけでなく、地域のつながりを存分に感じられる結婚式となるでしょう。
神前式には新郎新婦がふたりで行う演出が多いのも特徴です。
以下の演出は基本的に、新郎新婦で行います。
「神前式だと指輪交換ができないの?」と思われるもいるかもしれませんが、最近の神前式では教会式の定番の演出(例、指輪の交換)ができる神社もあり、神前式で伝統的な儀式と現代的な演出の両方を楽しめます。
神社での神前式では、日本ならではのオリジナリティーあふれるウェディングスタイルと言えます。
ウエディングドレスは西欧を中心に広く知られた花嫁衣裳ですが、神前式で着られる白無垢や色打掛は、神前式などの和装婚でないと着られません。神社での結婚式がそもそも、日本固有のもので、他の国ではまず実現できないため、希少価値があります。
また、海外挙式などでの教会式と違い、神前式では結婚式のあとも、初詣などで神社に気軽に立ち寄ることもでき、日常生活の延長線上にある身近さも魅力の一つと言えるでしょう。
神社の中には設備がバリアフリーでないことがあります。そのため、車いす利用の方は神社の中を移動しづらい可能性があります。
また、神社の境内には玉砂利がありますが、ハイヒールや杖をついての歩行、ベビーカーの移動はしづらいです。
神社によっては専用のスロープを設けたり、ユニバーサルデザインのエレベーターを完備していたりするところもありますが、ゲストに高齢者や乳幼児がいる場合は事前に神社の設備を確認しておくとよいでしょう。
神前式の花嫁衣裳は、かつらに重ね着で身に着ける小物も多いため、真夏や蒸し暑い梅雨の時期など汗ばむ時期は通気性が悪く大変です。白無垢や色打掛でも5kg前後あると言われています。
ふたりの思い出の日が夏や梅雨の日などで、どうしても夏に結婚式をしたい場合、花嫁の衣装の負担を考慮に入れましょう。
神前式は「家族水入らず」の結婚式スタイルです。神前式では、友人や知人などの親族以外のゲストは参列できないケースがあります。
なお、神前式への参列はできなくとも、食事会や披露宴には参加はOKのところが多いため、神前式に友人・知人を呼ぶなら「神前式のあとから合流する」のも方法のひとつです。
どうしても、友人・知人をゲストとして呼びたいのであれば、次のような親族以外のゲストOKの神社などを探しましょう。
<親族以外の参列がOKの神前式ができる神社>
神前式を行う場所といえば「神社」というイメージが強いですが、実際、神社では半数が神社で神前式を行い、あとはホテルや専門式場などの館内での神殿の前で行うのが大半です。
東京には由緒正しきさまざまな神社があり、神前式の申し込みを受け付けています。
披露宴や会食がセットなら、3つのパターンがあります。
問い合わせや契約の際には、挙式のみにしたいのか、または披露宴もつけるのかといった基本プランだけでなく、披露宴・会食をする場合の段取りをつけましょう。
また、結婚式当日に花嫁の身の回りの世話などでサポートしてくれる介添人(ブライダルアテンダー)はつくのか、新郎新婦の家族で何か手伝う必要はあるのか、着替えのタイミングはいつなのか等もあわせて確認しましょう。
神社で神前式を行う準備は、3段階に分かれています。
まずは希望のエリアやご自身の家族・親戚に関係する神社があるかを確認しましょう。
身近な神社がある場合は、優先順位を高めに、そのうえで、いくつかの希望の神社をピックアップします。
希望の神社の電話番号・ホームページの有無・住所・料金などを調べ、ノートやエクセルなどにまとめておきましょう。
参加人数や希望日・予算をお相手の方や家族に相談し、決定します。
希望の神社へ問い合わせをします。
希望日を伝え、下見・見学をします。その際、事前に質問事項をまとめ、当日、不明点を担当者の方に質問しましょう。(キャンセル料や日時変更の場合はどうなるかを要確認)
内容や料金に納得したら、一度家族に相談します。
問題がなければ、実際に前払い金や申込書の記入などの手続きに進みます。
東京には数えきれないほど多くの神社がありますが、小さな神社や社殿のない神社では神前式の受付をしていません。
ご家族の方がご存じの神社でよい神社があればそちらが一番ですが、ある程度の規模で一般の方の神前式を受け付けてくれる神社ですと、数は限られます。
例として、東京では以下のような神社がアクセスや設備・演出の面で人気があります。
神社での神前式に「制約がある」と感じるのであれば、結婚式場での神前式も検討しましょう。
結婚式場の中に神殿を設置し、神前式ができる結婚式場もあり、そういった結婚式場は近隣の神社と提携しているため、神主さんを呼ぶなどの手配もしてくれます。
また、結婚式場であれば、暑い夏やバリアフリーにも対応しやすいため、結婚式場で神前式対応をしてくれるところを探すのも、ひとつの手です。
神前式について新郎新婦からよくいただく質問について、まとめました。ぜひご自身の神前式へのご参考になさってください。
A1. 神前式ではキスの代わりに新郎新婦が「誓詞奏上」を行います。 |
神前式では誓いのキスの代わりに新郎新婦が「誓詞奏上(せいしそうじょう)」を行います。そもそも、教会式でも誓いのキスは必須の演出ではありません。神前式では演出としてはいれず、披露宴などでキスをした方が自然な流れかもしれません。
A2. 場所によりますが、最近では神社でも友人の参列が可能なところが出てきています。 |
一部の演出を友人に参加してもらうことで、より神前式が思い出深い儀式になります。
友人を呼んでの神前式をしたい場合は、事前に「親族以外の招待は可能ですか?」と担当へ確認しておきましょう。
A3. あります。最近では、折り鶴シャワーがアフターセレモニーの演出として人気です。 |
伝統的な神前式の演出ですが、巫女による舞である「巫女舞」は神前式ならではのパフォーマンスと言えるでしょう。
いま風の演出としては「折り鶴シャワー」。アフターセレモニーとして、花びらの代わりに1人5~10個の小さな折り鶴を新郎新婦に向けて投げてもらいます。
そのほか、「水合わせの儀」という。両家からそれぞれ汲んできた水をひとつの盃(さかずき)に注ぎ合わせる儀式も人気があります。
また、教会式で定番の「指輪交換」は神前式でもOKなところが多く、三々九度のあとのタイミングで行うのがおすすめです。
「神前式とは」をテーマに、結婚式の流れや髪型・衣装などの服装から、神前式のメリット・デメリット、神前式を挙げられる神社まで詳しくお伝えしました。
結婚式といえばウエディングドレスというイメージを持つ方がいる一方、神前式に対しても「昔から白無垢や和装の花嫁衣裳に憧れる」「日本人ならやっぱり神社で式を挙げたい」といった憧れを持つ方もいらっしゃいます。
憧れの神前式を挙げるため、本記事を少しでもお役立ていただければ嬉しいです。
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